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今日のごはん

2005/02/18よりブログ開始。ぽわんと毎日を送っている、ある人間の日記。時折、絵日記にもなります。

2024.05.18
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2011.08.08
振り返れば、あっという間だった。

夢を見て、覚めて、泣いて、気付かされた。

何度か、ここにも書いたことがある。
知っている人が読んでいれば、わかる内容だったのだが、
昔の人が忘れられないと。
たとえどこにいようと、どんな人といても、好きなことに変わりないと。
まあ、相手が読んでいなければ、ただの遠吠えだったのだけど。

離婚して彼は出ていき、私は娘と一緒に暮らすことになった。
それからずっと連絡は取らなかった。
1年に1度ほど来る年賀状は娘宛だから、娘しか関心が無いのかも知れない。返事を出せるわけがない。

娘への接し方は、不思議だった。
可愛がっているように思えたこともある。実際、自分は世界一の親馬鹿になると宣言していた。その割に、よくわからないことで娘を突然叱った。
病気について書かれている本を、ただ知識の為に読んでいた娘を「お前は病気になりたいのか!」と怒鳴ったり。(娘に、意味のわかる言葉で、ゆっくりと諭せば、或いは言いたいことを理解してくれたかもしれないが、今でも娘の中では傷として残っている)

出ていってから、数年ごとに転居したらしい事は知っていた。
福岡に住んでいたこともある。それでも連絡はしてこなかった。こちらもしなかった。娘を守りたかった。

娘には、中学時代からの彼がいて、恋人同士となった。
大丈夫かなと思って、聞いてみた。
「ねえ、お母さんに恋人ができたら、どうする?」
「どうでもいい」
娘は、とても正直な人間。
自分のことで母親を縛らず、母親の意見を尊重してくれた。

堤防は決壊した。
メールを送った、「幸せですか?まだ一人ですか?」
別れても、もし死んでも、霊となって近くにいる、ずっと思い続けると宣言していた人だけど、人間は変わるから。

「私は、まだ一人でおります」
舞い上がった!
「いい友達になれますか?」と言われても、そうだよな、離婚で傷を負った同士だ。何年も離れていたんだ、ゆっくりとお互いを知っていこうなんて考えた。

お互いの近況を報告したり、励まし合った。
数日後、「1つ聞いてみたいことがあります」とメールが来た。
なんだか、予感がした。悪い?いや、喜びの。

「もし福岡へ戻り、君とよりを戻したとしたら、以前に私が君に対して行った、DVも含めて私を赦すことが出来たのか?」
不思議な文章だった。過去形なのか、現在進行形なのか。
これまでのメールに見え隠れする、女性の姿を考えながら、返答した。
「どうしても、DVだけは赦せない」と。
殺意を抱かれた恐怖を打ち消すには、それを克服した彼が必要だから。

もう一通来た。
「もし私が福岡に今でも住んでいた場合で、私にパートナーもいなかった場合は、君の理想とした私たちの関係はどういうものだったでしょうか?」
はっきりした。彼にはパートナーがいる。
じゃあ、なんで聞いてくる?
「もっとパートナーを大事にしなさい」と返事した。
反対の立場であれば、裏切りだ。
仮定の話を何度もして、彼女を裏切る可能性も匂わせて。

別れてから、初めて泣いた。
ずっと我慢していたから。
母親であり続け、ある意味父親となることを自分に背負わせてしまったから。
娘が近くにいてくれた。
「好きだった」と泣いている私の頭を撫でて、デート中に買ったという飴を「おいしいよ」と手に載せてくれた、溢れるほど。
「はい、ティッシュ。」

娘とたくさん何時間も話した。
娘は、父親のことを当時「パパ」と呼んでいたが、今では癪に触るので、「お父さん」と言っているらしい。
娘の前で、父親の悪口を言ったことはない。娘が半分に引き裂かれるような事はしたくなかった。

娘は、父親の顔を忘れかけていた。「メガネとヒゲだけ」
「手紙をくれるというなら、読むよ。手紙自体に罪はないからね。返事は書かないと思うけど。毎年の年賀状もお母さん宛にすればよかったのにね」
なんてニュートラル!

好きだった、それは本当のことだったけど
自分の中だけで純粋培養してしまった。

「私たちが大事だったら、もっと優しくしたらよかったのにね。
もしもの話をするのは、過去を引きずるタイプなんだね。
私は、あのままお父さんと暮らしていたらと考えるとイヤだな」
そうだね、あのままなら窒息していたろう、二人とも。
離婚したことは悪くなかった。
そのまま、伝えた。
もう煩わせない。今の彼女とすっかり幸せになって下さい、と。

娘から憎まれている、そこに拘った返信があった。
もう返信しないつもりだったが、終われないでいるな、と思って再度。
私たちのことは彼女と添い遂げていれば、そのうち過去の思い出となり、笑い話になるから、と。子どもでも出来れば変わるよ、と。

うーん、また来た。
「全部私の責任なんですね。心がやすらぐなら、思う存分私を憎めばいい。」彼女が難病であり、結婚も子どもも出来ないことも書かれていた。
彼女に対して失礼だろう。前の妻に教えることじゃない。じゃ、幸せにしてやれないのか?幸せは時間じゃないんだよ。

そして、愛の反対は憎むではないんだ。忘れることだ。

娘は顛末を聞いて「全然変わってないじゃん」と一言。

彼に幸せになってほしいというのが、知り合ったころからの私の願いだった。

友人が言った。
娘が自分を認めてくれないってことは「あってはならない」ことなんだろうね。
本当に認めてないのは、彼自身なんだよ。いつも、そこが彼のつまづきの原因なんだけど、それは一生理解出来ないかもしれないね。

長い長い夢だった。

覚めてよかった、さあ生きよう。


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