１７回忌

日曜は父の１７回忌だったので娘と出かけた。

会場は隣県なので、久しぶりにＪＲを使用。

１時間の間、娘はほとんど寝ていて

せっかくの景色は見ずじまい。



今回の法事は離婚後初めて

親戚と顔を合わせるので気になっていたのだが

もう二年近い時間が流れ、暗黙の了解があったようだ。

何より一同の関心は大きくなった娘にあったので

私には「わかってるよ」の言葉を出さぬ挨拶のみ。



「あと一年と少し頑張ってくれたら

おじいちゃんに会えたのにね」と娘が言う。

彼女は父が亡くなった後に生まれたので

おじいちゃんを写真でしか知らない。

「うん、そうだね。

それを聞いたらおじいちゃんも喜んでるでしょ」

飾られた遺影を見ると、本当にそう思う。



会場から外を見ると

桜の花が桃色の煙のように山を染めており

父が植物を愛していたことなど思い出す。

里山は菜の花の黄色と桜色の山と木の芽色で

ふわふわ夢のような景色だった。