怒濤のように

勤務先で新しく仕事を教えられているのだが

本当に怒濤のように毎日が過ぎる。

電話はじゃんじゃん鳴るし、お客様は多いし。

教えられる仕事は簡単とはいえ

うまくやりくりしないと時間はすぐに無くなってしまう。

事務社員の男性は毎日深夜近くまで残業し

休日も出社している。



ところが、その社内で時間を持て余している人物が一人。

４ヶ月ほど前に入社した人なのだが

（だから一度は独り立ちまでさせた）

今では「使えない人」の烙印つき。



覚えられないくせにノートを取ろうともしない

テキトーに仕事をして、他の人に責任は取ってもらう

挙げればキリがない。

でも勤務態度が悪いわけでも

上司に反抗ばかりしているわけでもないので

本社にかけあっても辞めさせられない。

いっそ大きなミスをすれば別だろうけど

そうなると本人より上司が罰を受けることになるわけで

それはたまらん、となったそうだ。



彼は電話応対だけしている。

電話の鳴らない時は指を組んで

じっと眺めているだけ。

ちょっとした手伝いもしようとせず

電話さえ、えり好みして取る。

でも目の前にいる課長は小言を一切言わなくなった。



「飼い殺し」

嫌な言葉だが、自分から辞意を表すまで

きっと、この状態は続くだろう。

見ている方もつらいし、仕事は忙しいし

イライラの種が大きくなっていく。