成分

近頃巷で流行っている「成分分析」なるものとは違う。

これまでの長い時間の中で

自分がどんなものに縁があったのかを

つらつら考えてみた。



まずは「風」。

寒い冬に吹く風は時々辟易するけれど

それでも力強さを感じるので好きだ。

桜の頃の花びら舞う風、初夏のそよ風

およそ一年中、風を感じると幸せになる。

だから、窓を開けるのが好き。



次に「仁王」。

幼い頃、父の実家近くにある修験道の山

「黒髪山」のふもとで赤い顔をした石像を見つけた。

草むした山の中に何気なく立っていたので

並んで背比べした。父から後に

「あの像より背が高いと並んではいけない。

地獄に落ちるらしい」と聞いて震え上がった。

この像は、その後二度と見ていない。

確か閻魔大王の像だと聞いたが、見た目は仁王だった。



学生時代、大分の臼杵へ美術部の仲間と旅行した際

私だけ仁王の絵を描いた。

憤怒の表情をした「仁王」は

私の暮らしとは縁が無いようだが、どこかに隠れていて

時折湧き上がってくる。



最後に「狼」。

最初の登場は「狼少年ケン」だった。

片目のジャックが大好きで、狼になる夢をよく見ていた。

中学生まで、時折階段などは四つ足で歩いており

まだ人間になってなかったようだ。



以降、狼と名が付けば興味をそそられる。

「牙狼」も、まずは題名に「狼」がついていたので

深夜でも見る気になったのだ。

「大神」というゲームも白い狼を操れる所が気に入った。



とりあえず、こういうものが現在のところ

私の成分分析結果だ。