見えない

「オーラの泉」というテレビ番組がある。

オーラや霊の話を避けてきたのに

たまに見ている。



美輪明弘さんは「ヨイトマケの唄」「銀巴里」

「紅蜥蜴」ぐらいの知識か。

よく笑っている江原さんという人については

何も知らない。



毎回ゲストを招き、その人のオーラの色や

前世を見るという番組らしい。

こういう事に関しては

見える人と見えない人が存在するようで

私は見えない。

ゲストも、ほとんどが見えない人たち。

なのに、なんで言われている事を信じるのだろう。

（もちろん、半信半疑の人もたまに登場する）



確か、綾戸智恵さんがゲストの日だった。

前世からの息子さんとの縁について話が進む中

美輪さんは、彼女が子供に対して

「私のせいでこんなつらい目にあわせてしまった」

「だからせめて食事ぐらいはきちんとしなければ」

そう思っているでしょう、と聞く。

その考え方が息子さんにはつらいのですよ。

もう、いいんです。

やっと一緒に暮らせるようになったんだから

二人で楽しんでいいんです。



ゲストに限らず、たくさんの人が

言われたいと思っているから番組は成立している。

前世は終わった。

これからは「あなた」を生きなさい、と。



自分ではほどけにくい呪縛がある。

誰かが言ってくれたら許される気がするのだろう。

オーラが見えなくても、前世を知らなくても

それはできるのだが。