帰ったら

土曜日は休みだったので、久しぶりに天神へ。

（私鉄の駅名は、本来は「福岡駅」だったのだが

それは市の名前でもあるので、地元の人間は

昔から「電車に乗って天神に行く」と言っていた。

実態に即して「福岡天神駅」になったらしい。）



母にもらっていた商品券を書店で使うためだったが

ついでに飾り山笠の見物もした。

山の周りには「ドラちゃんカステラ」やら

「水笛」やら「金魚すくい」などの露天も並んだ。

外つ国からの観光客に混じって

携帯でパチパチしてきた。



食事はデパートの食道で、と思っていたが

娘の好みを考え、そば屋へ。

「親子丼」と「大ざる」って組み合わせだと

だいたい親の方が「大ざる」でしょ。

うちの娘は「ざるそば」専門なのですよ。

この店は「そば湯」も出るのでお気に入りだって。



紀伊国屋に行ったが、マンガの本は少なかったので

丸善に移動。

娘はマンガか攻略本を買うという。

誰かに「もっと勉強に役立つ本を買ったら？」

と言われたことがあったらしいが

私はそんなこと言わない。



今回私が買ったのは

「ドロヘドロ」と「誰も眠ってはならぬ」で

どちらも初見。

おもしろいかどうかは読んでのお楽しみ。

日頃、掲載誌を見ることがないので

評判で決めるしかない。

取り敢えず、どちらも一巻のみを買った。



「何処かで何か飲んでいく？」

娘を連れて喫茶店で一休みしようかと尋ねたら

「うちに帰ってゆっくりしたい」

なーんだ。

「これから○○駅まで電車に乗って

バスに乗りかえて○○で降りて

ローソンの所で信号を渡って、うちに…」

「帰って、やれやれ」

「…やれやれ。つられたやん！」

娘をからかうのは面白い。



追いかけられるように過ごしていると

自分が言われ続けていたように

「早く早く！」と言ってしまう。

どうしても急がなければならない時は

もっと早く自分が動き出せばよいので

わかっていながら小言を言ってしまい

むっつりした娘を見るなど、最低だ。



「あんたはもう３年生なんだから

３年生としての自覚を持ちなさい！」

「ああもう、きちんと靴を履かせてないからよ！」

「あー、遅れちゃったじゃないの！

あっちの方に乗れば早かったのに！」

小さな弟の世話もさせ、のべつ幕なしに小言を言い

自分の不満を全部口に出して娘のせいにする

旅行中に出会った、あの母親になっちゃうぞ。



バスの窓から暮れ始めた空を見て

「夕焼けを見たら、次の日は晴れ」という占いの

科学的な説明を聞きつつ

「ええなあ、こんな時間」と満喫した。