秋について

「秋って寂しいですよね」



事務の同僚から言われたんだけど

「そうですか？」と答えてしまった。

「だって秋に葉が落ちるのとか見て

寂しくなりません？

毎年秋になると、ああもう秋だ、と思うんです」

「なりませんねえ。情緒的にできてないもので」



教科書みたいな言葉を聞くと

ついからかってみたくなったわけで、すまん。

いや、寂しくなるどころか

秋は大好きな季節で嬉しくなるばかり。

食べ物はおいしくなるし、景色は美しいし

空は高いし、空気が澄むし。



彼女は晩秋を思い、私は初秋を思っている。

晩秋や冬をつらい、寂しいと感じるのは

祖先が食べるものの少なくなる季節をつらいと

感じていた名残かもしれぬ。

農耕民族も狩猟民族でも同じだろう。



それなら、教科書通りの感じ方も

納得出来るか。

ただし彼女には失恋の思い出やらが

くっついていそうで、思わず避けた。

いつまでも引きずってる人は嫌なんだ。



さて、今週末は秋のもうひとつのお楽しみ

お祭りに娘と繰り出す。

去年と同じように「お化け屋敷」を見たり

あ、バイクサーカスの兄ちゃん達もいるかな。

もちろんリンゴ飴や東京カステラも待ってる。

待ってろよ、放生会。