結果

そうなるかもと予想はしていたけれど。



今日やむなく残業したら、帰りにＳさんが呼び止めた。

「私、転勤します」

ええーっ！



所長と次長の綱引きの結果

両方がひいきを残したくて、結局Ｓさんが貧乏くじだ。

一番転勤先に近いからと双方が折れたとか。

転勤先がいいところなら、こっちも良かったねと言うが

Ｋさんと同じようなタイプの人が

次々に新人いびりをしているところだそうな。

「そこに行ったら、辞めるかも」



何だよ、それ！

「所長も転勤させられるそうです。

所長は泣いてました。」



暗黒の時代がやってくるのか。

色づく

洋服の好みが変わってきたと思う。

形や素材ではない。

ずっと寒色系が好きで、 ブルーグレーなどの服を

好んでいた。体型を気にしていたのも一因。



ところが、ある店で見つけたシャツに

心を奪われてしまった。

燃えるような赤と草木の黄緑、新芽の黄色。

昔なら　「うわっ、派手！」　と毛嫌いした色だ。

素材もレーヨン混紡で、てろてろ感が好きではなかったはず。

なのに他の渋めのを見ていても

結局そのシャツの前に戻ってしまう。



しゃあない、気に入ってしまったんだな。

じゃあ、この派手なシャツを着てる自分を

想像してみてごらん。

…悪くない。

これに驚いた。

買ってみるか、そう高い物でもないし。



暖かくなってきたので、そのシャツをコート無しで着る。

黒い服を着た人々の中へ割って入っていく。



私は「春」だ。

教科書

帰宅すると、母からのメモがあった。

今月末に法事をすること。

昨日会った従姉からの預かり物のこと。



借りていた物をお返ししますとある。

彼女に何か貸したりしていたっけ？

しばらくそれがなんなのかわからず、ページをめくった。

絵画や彫刻、建築物の写真がある。

この並び方に覚えがある、この絵も覚えている。

中学校で私が使っていた美術の教科書だった。



タイムカプセルでも使ったようだ。

教科書は当時の色合いのまま

実にきれいに保存してあった。

私が持っていれば、数度の引っ越しや結婚によって

処分されていたに違いない。

そうでなくても自分の描いた絵などは

威勢良く捨ててしまう方だから。



私の母と折り合わず

彼女が出ていった当時の事だろうか。

貸したことさえ忘れていた。

たくさんの画集を持っている彼女なので

資料として見たかったわけではあるまい。



法事の時に会えたら、いろいろと話したいことがある。

そういえば、離婚して初めて親戚と会うんだな。

声

土曜日の真夜中にやっている

特撮ヒーローものが最近の楽しみ。

アクションが格好良くて見栄えもする

正当派のヒーローに見惚れている。



で、彼の姿はもちろん良いのだが、声も気に入ってる。

軽くて高い声でもしていたら興ざめだ。

何しろ、お気に入り声優のトップは家弓家正さんだ。



男性の何処に魅力を感じるかというと

様々の答があるだろうけど

私にとって声は大きな位置を占める。



勤務先では圧倒的に男性が多いので

いろんな声が聴ける。

甲高い声の新人さん一人と猫撫で声次長を除くと

いい声が揃っているので、嬉しい。

数人は、かなり好みの声だ。

（何をしに仕事に行ってる？）



しゃべり方や内容が伴ってないと

魅力にはならないのは当たり前。

怒鳴り散らす声がいかに低くて良い声でも惚れはせぬ。



一番良いのは、そのいい声で歌われる時だ。

うまければ言うこと無いだろうけど

歌手でもない相手にそこまで要求しない。

不思議だが話すよりも歌うことは与える力が違うのだ。

かつてバルコニーの下で思いをのせて歌った

古いお話の恋人たちは、その作用を熟知していたようだ。

しつける

しつけというのはもともと

礼儀作法などを教えるって意味らしいが

どうも私は言葉自体に拒否反応が働く。

「女房はよくしつけてやらなければ」という思いに

縛られた人と暮らしていたせいで。

礼儀作法については、拒否しないのですがね。



脱いだ靴は揃えておくとか

挨拶は人の目を見てしようとか。

目の前に置かれた皿の物は残さず食べようとか。

○○式なんてのは、知識としてならいいけど

日常ではそこまでしなくてもいい。

つまり、難しくないはずだが。



子供に教えるっていっても

自分がやる姿を見せる方が早い。

口でだけ言ったら、すぐに見破られる。

片づけなさいと言うなら、自分がまず片づける。

そこんところが難しい。

まず自分が怠け者だからなぁ。

ホントにね、几帳面でない私が

「きちんとしなさい」なんて言えた義理ではないのよ。



というわけで、今日は片づけと掃除、洗濯をばっちり。

見とるか、娘よ。

ほら、本に夢中だろうけど

たまにはお母さんだってやるんだよ。



…たまには、でどのくらい効果があるのかね。