本を売る時、買う時

また、本が増えた。

本棚の場所を空けなきゃ。



貧乏性で、お金が少しはいると乾物やら缶詰やら

安い食べ物をたくさん買ってきて

戸棚に詰め込む癖がある。

またお金が無くなっても、困らないように。

でも今は冷蔵庫を開けるとぎっしり入ってる

なんて幸せ。



本を持っていても、食べられない。

どうしてもお金がなくて

家族に何も食べさせられなかった時、本を売った。

大事に大事にしていた本。



学生時代に習った古典で、物語を読みたいと願う

地方の女の子が主人公の作品があった。

印刷物がない時代、物語は都でなくては手に入らなかった。

やがて彼女は都へ行って読めることになるのだが

途中で、源氏物語全巻の題を暗記する話が出てくる。

巻名を暗記してどうするのかというと

物語の内容をそれによって喚起して楽しむのだ。

たとえ本は手元になくとも

そうやって心の中に持つことが出来ると。

その古典の名前は忘れたが

後年こうやって支えとなってくれた。



私は本の名前を一つ一つ書いていく。

何度も読んだ本だ、内容は頭に入っている。

それから、古本屋を呼んだ。



今は何とか食べ物にも困らない。

だから、本を買う。



手に入った本。

○ぼくんち　　西原理恵子さん

ぬるま湯に育った私にとっては「おったまげる」生活。

生きていくってことがむずかしく思えてきたら

ここに戻ろう。

ただ、出かける前はやめとこう。

涙と鼻水でぐしょぐしょになる。



○しあわせ　　戸田誠二さん

所属させてもらってる「おとまん」のメンバーさん。

インターネットで惜しげもなく作品紹介されてます。

前作「生きるススメ」とあわせて、なんと平積みされてましたよ！



ただねぇ、帯のアオリ文句に一言。

新谷かおるさんという人は知りませんが

あんな事書かないでくれ。

買って読んでくれる人が何も感じてくれなければ

それは作者の責任でもあるよ。

だいたい、800円も出して買うんだ。

価値がわかってなくて出せないって。

この帯のおかげで買わない人がいたらどうするんだよ。



○ＲＨＩＮＯｓ　　雨宮智子さん

こちらも、「おとまん」のメンバーさん。

電子書籍、ＣＤで買ったＰＤＦ形式の漫画です。

画面いっぱいに浮かぶ物語は、まるで映画を見ている感覚。

独特の絵がとても気に入ってます。

彼女の作品は、喜劇も悲劇も予測のつかない雰囲気

があります。

読後、悪くない気分になることはお勧め。



三作とも、応援したくなる人たちなので

出来るだけ新品で買う。僅かでも印税を。

そして、また本を出して欲しいから。



そして今、産みの苦しみ中の友人たち。

応援してます。