虫愛づる姫たち

子供会の花植え替えでのこと。

土を掘り返して、残った根っこを取り除いている時

「あっ、幼虫がいた！」という女の子の声。

まるまる太った甲虫類の子を手にとって、誇らしげだ。

「もういないかな？」と探し回っていた。

ほくほくした土を手で掘り出す。

（もちろん、スコップを使わないのは虫を傷つけないため）



うちの子も道路で転がっている幼虫を土に戻そうと

奮闘していた。あわてたので噛みつかれてた…。

私はそっとつまんで、植え終わった花壇に戻してやった。



女の子が虫を好きだと、今でも

「ちょっと変わった子」になるのだろうか。

私はトカゲなどが大好きだし

娘は蛇に「かわいいー」、バッタを「かっこいい」と

うっとり見とれている。



自転車を買った時、赤い色は嫌いだからと

銀色のボディーのに決めた。

「どうして、女の子はみんなピンクが好きなんだろ。

先生が何色がいいって聞いたら、ピンクがいいって子が

いっぱいいたよ。」

「で、何色にしたの？」

「私はピンクにするぐらいなら黄色がいい。」



自転車店によると、女の子が選ぶ色は赤い色という

常識は崩れ始めているらしい。

もちろん、もともと赤い色が好きな子もいるだろうけど

そうじゃない子も、自己主張し始めたってことかな。



虫が嫌い、蛇を怖がる、ピンクの物が好き。

女の子の実体とは違うイメージを押しつけたがる社会。

それをあっさり飛び越えて、ずんずん歩いている姫たち。